betrayal~元彼御曹司との不倫~
「そうそう。私、零斗が会社を辞めてすぐに大阪支社に転勤になったの」
「らしいね。前田から聞いた」
その前田は、零斗と仲が良かった同期の男性。
彼からどう聞いているかは分からないけど。
中村春馬との不倫疑惑での左遷だとか、かな。
実際の所、私の転勤はそうなのだと思うけど。
零斗が会社で中村春馬に突っ掛かった事で、色々な噂が立ってしまった。
私の耳にも届くくらい。
「大阪では広報なんだけどね。
今日は本社に仕事があってね。
よく営業に来てたこのお店懐かしくて立ちよったんだけどね」
書店の文具担当の誰かと久しぶりに会えるかな?とちょっと懐かしい気持ちで立ちよったけど、私の知ってる人は居ないみたい。
「あのさ、中村部長とはどうなの?」
「どうって…どうにもなってないよ」
零斗と別れてからも、中村春馬との関係は仕事上の関係を超えるような事はなかった。
零斗と別れたからって、中村春馬とまたどうこうなろうとは思えなくて。
「あの時は嫌だったけど、今ならとわちゃんが中村部長と幸せになってもいいよ。
俺、応援する」
「いやいや。あの人結婚してるから。忘れてない?」
「そうだけど。とわちゃんの為になら離婚していいみたいな事、中村部長言ってなかったっけ?」
「そうだっけ?」
本当は、覚えているけど。
"――そうなったら、流石に俺も離婚するだろうし。
いっそのこと、会社さえも辞めてしまえば清々するんだよ。
十和子の事だけ考えていればいいから。
昔にそう思えていたら――"
零斗に私との不倫関係を会社にバラすと脅された時に、そう言っていたな。
「でも、中村部長の所、おめでたらしい。
奥さん妊娠してるって」
中村春馬は大阪支社でもよく知られていて、そちらでそんな噂を耳にした。
「子供か…。流石にそれなら中村部長も離婚しないか」
「…そうだね」
中村春馬と美怜さんは、偽装結婚。
それを知っている私は、その子供が中村春馬の子供ではないと思うけど。
もしかしたら、本当に中村春馬の子供かもしれない…、と思うのは。
中村春馬の美怜さんに対する気持ちを、聞いたから。
「らしいね。前田から聞いた」
その前田は、零斗と仲が良かった同期の男性。
彼からどう聞いているかは分からないけど。
中村春馬との不倫疑惑での左遷だとか、かな。
実際の所、私の転勤はそうなのだと思うけど。
零斗が会社で中村春馬に突っ掛かった事で、色々な噂が立ってしまった。
私の耳にも届くくらい。
「大阪では広報なんだけどね。
今日は本社に仕事があってね。
よく営業に来てたこのお店懐かしくて立ちよったんだけどね」
書店の文具担当の誰かと久しぶりに会えるかな?とちょっと懐かしい気持ちで立ちよったけど、私の知ってる人は居ないみたい。
「あのさ、中村部長とはどうなの?」
「どうって…どうにもなってないよ」
零斗と別れてからも、中村春馬との関係は仕事上の関係を超えるような事はなかった。
零斗と別れたからって、中村春馬とまたどうこうなろうとは思えなくて。
「あの時は嫌だったけど、今ならとわちゃんが中村部長と幸せになってもいいよ。
俺、応援する」
「いやいや。あの人結婚してるから。忘れてない?」
「そうだけど。とわちゃんの為になら離婚していいみたいな事、中村部長言ってなかったっけ?」
「そうだっけ?」
本当は、覚えているけど。
"――そうなったら、流石に俺も離婚するだろうし。
いっそのこと、会社さえも辞めてしまえば清々するんだよ。
十和子の事だけ考えていればいいから。
昔にそう思えていたら――"
零斗に私との不倫関係を会社にバラすと脅された時に、そう言っていたな。
「でも、中村部長の所、おめでたらしい。
奥さん妊娠してるって」
中村春馬は大阪支社でもよく知られていて、そちらでそんな噂を耳にした。
「子供か…。流石にそれなら中村部長も離婚しないか」
「…そうだね」
中村春馬と美怜さんは、偽装結婚。
それを知っている私は、その子供が中村春馬の子供ではないと思うけど。
もしかしたら、本当に中村春馬の子供かもしれない…、と思うのは。
中村春馬の美怜さんに対する気持ちを、聞いたから。