18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「じゃあ、あたしは戻るから。いろは、気をつけて帰るのよ。小春ちゃん、よろしくね」


 由希ちゃんの言葉に私が「ありがとう」と言うと、小春が「お任せあれ」と胸を叩いて言った。

 それから由希ちゃんは長門先生に「すみません」と言って保健室を出ていった。

 それとほぼ同時に小春が私に顔を近づけてきて、耳もとでこっそりと話した。


「長門先生ってリューセイみたいだよね? めっちゃタイプだわ~」

「うん。小春はそう言うと思ったよ」

「いいなあ。あとショーマがいたら最高の話が書けるんだけどー。ショーマとアヤって感じ」

「……アヤって」


 すでに長門先生を呼び捨てにしてる。

 だけど、もし遥さんと長門先生が並んだら、まさにショーマとリューセイになるだろうなあと思うと小春に話したくなったけれど、言わないでおいた。

 別に遥さんのことを話してもいいんだけど、なんだかまだ話せる気がしない。


「じゃあ、あたしバッグ取ってくるから、いろははここで待ってて」

「ありがとう、小春」

 小春が保健室を出ていったあと、長門先生が声をかけてきた。


「秋月さん、起きられる?」

「はい。もう大丈夫です。ありがとうございました」

「うん、ずいぶん顔色がよくなったね」


 長門先生はにこやかな笑顔でそう言ってくれた。


 まさか小春が先生をネタにしてBL小説を書こうとしているなんて。

 さっきの聞こえてないよね……?




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