18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
この日の夜は少し緊張しながら遥さんの帰りを待った。
夕食に(ちょっと焦がしちゃったけど)鮭の塩焼きと、(形が崩れちゃったけど)玉子焼きと、(茹ですぎちゃったけど)ほうれん草のおひたしと、(煮汁がなくなっちゃったけど)かぼちゃの煮物を作った。
テーブルに並べると我ながら本当に呆れるほど下手くそだなあと思う。
料理教室くらい通ったほうがいいのかなあ?
今後のことはどうなるかわからないけど、料理くらいできたほうがいいよね……。
冷めかけた料理のとなりで私はノートにショーマのらくがきをした。
さらさらの髪を描いていると急に胸の奥が痛くなった。
翔真に似ているんじゃなくてわざと似せた。
私の心を奪うために。
それどころかイラストを描いていることも知っていたし、中学の頃に漫画を投稿したことだってなぜか知っていた。
考えれば考えるほど気持ち悪い。
遥さんは私のことを一体どれくらい知っているのだろう。
私の知らないところで探偵でも雇って調べたのだろうか。
そんなふうに考えると、もう信頼することだって難しい。
彼はほしいものを手に入れるためなら手段を選ばない。
それを自分で言っていたのだから、これから一緒に暮らしていくうちに問題が出てくることだってあるよね。