18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥はいろはのことを“女神”と言った。

 それが絢には理解できなかった。

 あんな、ただの子供に何ができるというのか。

 見る限り、甘やかされて育った何もできないお嬢様という感じではないか。

 それでも絢が気に食わない彼女の写真を撮り続けるには理由がある。
 

「ハルの一番は僕だよ」

 絢は遥のそばに行き、彼の腕に絡みついて寄り添った。

 遥は目線だけ絢に向けて、冷たく言い放つ。


「ああ、そういう契約だから」

 絢は表情を歪めて歯を食いしばった。


 遥は非常に冷たい男だ。

 興味のあることには全力で陶酔するが、それ以外のことには無関心。


 絢は自分の存在を遥につなぎ留めておくために、彼と契約をした。

【親友】という立場でいるという契約だ。

 それと引き換えに、遥が崇めているいろはの写真を隠し撮りしているのだった。


 遥は大学時代に彼女ができても【恋人】という立場を与えなかった。

 これから先、誰と結婚をしようが【妻】という立場も与えないだろう。


 遥にとって女は【秋月いろは】だけ。それ以外はじゃがいもだ。


 彼女が手に入らなければ、彼は永久に、死ぬまで【恋人】も【妻】も置かないだろう。

 そうすれば、遥のそばにいるのは【親友】である絢だけ。

 絢はそれを狙っていた。


 いろはの写真は与えるが、彼女とはうまくいっても破局させたいとひそかに願っていた。

 絢にとって、遥の存在がすべてなのだから。


< 336 / 463 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop