18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 やっぱり、この家には何かある。

 表向きはとても穏やかな家族に見えるのに、所々会話がおかしいと感じてしまうのは私の考えすぎなのかな。


 それとも、うちが何でも話をするからその基準で考えてしまうけど、実はこれが普通の家族なのだろうか。

 遥さんは普段どおり穏やかな様子だったけど、ほとんど両親と口を利いていなかったし、奏太くんとはひと言も話していない。


 何か事情があるのだろうけど、今はちょっとキツイ。

 なぜなら、私は食事のあと、義両親とリビングに残されてしまったから。


「いろはちゃん、いずれはこの家に来てくれるんだろう? 君たちが暮らす頃にはきちんとリフォームするつもりだよ」

 おじさまはにこやかな笑顔でさりげなく同居話を持ってきた。

 やっぱりそうなるよね。遥さんは長男だし、本家だし、昔ながらのしきたりもあるだろうし。


「大丈夫よ。同居と言っても完全に別々だから。その頃には私たちも離れで暮らすことになるでしょうしね」

 私が緊張して固まっているせいか、美景さんがフォローするように補足してくれた。


「部屋はたくさんあるから自由に使えるよ」

「お庭も広いから子供ができても伸び伸びと子育てができるわよ」


 ふたりは完全に同居後の話に持っていき、私はどう答えるべきか悩んだ。

 だって、遥さんとそんな話は一度もしたことがないから。


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