18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
窓を閉めるつもりだったが、遥はしばらくその光景を見ていた。
父と話しているのは親戚の秋月かえで。一緒にいる男はその婿だ。
「あの人、子供がいたんだ」
ぼそりとそんなことを呟いた。
遥の記憶だと、かえではほとんど秋月家のパーティには参加していない。
母が生きていた頃は何度か見かけたことはあったが、それからしばらくは来ていなかった。
最後に見たときは子供はいなかったはずだ。
「どうでもいい。子供は嫌いだ」
遥は窓を閉めてカーテンで遮光した。
昼間なのに薄っすらと暗い室内で、遥は壁を背もたれにして床に座り込んだ。
見るつもりなどなかったのに、余計なものを見てしまった。
父と美景と奏太と、かえでとその相手とその子供。
仲睦まじい家族間の交流である。
彼らは家に入り、リビングでアフタヌーンティーを楽しんだようだ。
彼らは夕方までいて、主に女の子が騒いでいた。
「ああ、うるさい。外に行けよ」
遥はひとり悶々とその時間を耐えた。
しかし、彼らがこの家を訪れたのはこの日だけではなかったのである。