18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 学校が終わると買い物に行って、それから急いで帰宅した。

 時間はそんなにない。遥さんがいないあいだにイラストを描かなきゃいけないから、学校の勉強は夕食の準備中にしようと思った。


 寝室に入ると部屋着に着替えてから、机の上のデスクトップ型PCの電源を入れた。

 遥さんが昨日設置してくれたのだ。

 彼は何に使うのか訊いたりしなかった。


 液晶タブレットを立ち上げて保存しておいたイラストを開くと、まだ下書き状態のものが画面に現れた。

 とは言え、ショーマとリューセイのキスシーン。

 じっと見ていると、なんだか体の奥からじわじわと熱いものがあふれてくるような気がした。


 ――ちょっと(きわ)どいやつがいいの。受け側(リューセイ)のシャツが乱れて胸が見えてる感じで――


 まるで何かに憑りつかれたように、私はペンを走らせた。

 無心に、ただそこに、自分の欲求にも似たものを描き進めていく。

 もっと、こうしたいという思いが、あふれていく。


 出来上がったイラストは今までで一番、いやらしいものだった。


「やだ、わたし……何、描いて……」


 でもきっと、小春は喜んでくれるだろう。

 時計を見るとすでに6時を過ぎていた。


「大変! 夕食の支度しなくちゃ!」


 急いで寝室を出たあと、一度戻ってきてしっかりPCの電源を落とし、それから液晶タブレットを隠した。



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