先輩の一番になりたい
 無理もない。憧れの先輩が自分たちの方に向かって走ってきているのだから。
 隣りにいる恵奈ちゃんは、私の肩を叩いて興奮してる。

「ねぇねぇ、先輩こっちに走ってきてるよね!?」

「う、うん」

「借り物で何が書かれてたんだろう?」

「さぁ? なんだろうね……」

 なんて言いながらも、私たちのテントの方に走ってくる篠宮先輩に対して、妙にドキドキしてしまっている。
 
 すると、私と恵奈ちゃんの前で篠宮先輩が立ち止まった。

 ぎょっとする私と恵奈ちゃん。私たちはお互いに顔を見合わせ、首を傾げる。

「えっ」

「えっ?」

 私と恵奈ちゃんが、篠宮先輩と自分たちを交互に見ていると、篠宮先輩が私の腕を不意に掴んだ。

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