【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
「行儀悪いよな。牛になる、だっけ」
ごろりと体勢を横向きに変える賢人さんに、ぶんぶん首を振った。
「食べてすぐ横になるのは、じつは消化を助けるためには良いことだそうですよ。寝ちゃうのはダメですけど」
「そうなのか。詳しいな」
きょとんと目を瞬く彼に、曖昧に微笑む。
それはたまたま自分を正当化する理由を探して調べた情報にすぎなかった。つまり私は食べた後についつい横になってしまうことが多いのだ。
というか、洗いざらしの髪に浴衣姿というだけでも色気にあてられそうなのに、畳に寝転がった賢人さんなんてレアすぎて直視できない。
旅行という特別な時間がもたらしてくれた幸福に心の中で感謝をしつつ、私は居住まいを正した。
「賢人さん。今日はいろいろありがとうございました。食事から宿から全部お任せしちゃってすみません。仕事が忙しかったのに、調べたり手配したり大変でしたよね」
私が改まったせいか、彼は少し驚いた顔をして身を起こした。
「全然。いい気分転換になったよ」