【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい

 即座に答えてから「いや、ちょっと違うな」と顎に手をあてて首を傾げる。ほんの数秒考えるように視線を彷徨わせ、私に目を戻した。

「和花と行きたいところがあれこれあって、調べ始めたら止まらなくてさ。仕事と寝る以外の時間はほとんど検索してた」

 照れたように笑いながら、賢人さんは眩しいものでも見るように目を細める。

「それだけこの旅行を楽しみにしてた。これがなかったら視察もうまくいってなかったと思う」

「それはさすがにおおげさでは」

「いや、あの社長と一週間ふたりきりだぞ。毎日旅行のことを考えて乗り切ったといっても過言じゃない」

 力強く言いきってから、いつもの優しい表情に戻る。

「俺の方こそ、来てくれてありがとう。和花と一緒だと全部が楽しいよ」

 黒目勝ちの目でまっすぐ見つめられ、胸が熱くなる。

 やっぱりダメだ。賢人さんにはどうあっても敵わない。

 彼に感謝を伝えればより深い感謝の気持ちを返され、愛情を伝えればより大きな愛情で包まれてしまう。
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