【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
賢人さんのためになにかしたい、なにかをあげたいと思うのに、私が精いっぱいかき集めた程度のものでは、彼から与えられるものに大きく及ばない。
五歳差というのもあるのだろうか。安心感があるといえばそうだけれど、彼からもらってばかりでは対等な関係ではなくなってしまう。
「なにか……私にできること、ないですか」
つぶやいた言葉が聞き取れなかったのか、賢人さんが「ん?」と声を返す。
いたたまれず、私は座卓を回り込んで彼の傍らに座りこんだ。
「身体、疲れてないですか? 私、マッサージします」
「えっ、どうした急に」
肩揉みをするように伸ばした私の両手を掴んで、彼は優しく言う。
「いいよ、そんなことしなくて」
「賢人さんのために、私もなにかしたいんです」
整髪料で固めていない彼の前髪がほつれて目にかかった。隙間から覗く切れ長の目が驚いたように見開かれる。
畳に両手をつく形で彼をじっと見上げていると、ふいに目を逸らされた。
「浴衣姿でそんなふうに迫られるとさ……」
聞き取れないくらいの小さな声で言うと、彼はふうと長いため息をつく。