【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
賢人さんの気持ちを試すわけじゃなくて、私が本気で同棲したいだけ。
誰にともなく心の中で言い訳をしていると、愛しい顔がドアップで目に入り「わ」と仰け反った。くすくす笑われて頬が熱くなる。
「本当にどうした、さっきから百面相して」
「すみません……いろいろ、考えごとをしてて」
「考えごと?」
きょとんと目をまたたいて賢人さんは不思議そうに私を見下ろす。
もしかして、今、チャンス?
話を聞いてくれようとする彼をじっと見上げて、私は心を落ち着けるように息を吐いた。
「あの、賢人さん。私やっぱりちゃんと――」
そのとき、バッグの中でスマホが震えた。
やり過ごそうと思ったのに、振動は反抗するように主張を繰り返す。
「ごめんなさい、電話みたいです」
目をぱちくりする彼に謝ってスマホを取り出し画面の表示を見た瞬間、胸がこわばった。そんな私の表情を見逃さず、賢人さんもスマホの画面をのぞき込む。
『三浦昴』
手の中でしばらく震えたそれは、やがてぴたりと止まった。確認してみると不在着信が三件も入っている。
「……電話、かけてみたら?」