【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
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電話でなんとか住所を聞き出し辿り着いた昴のマンションは、都心の低層マンションにある広めのワンルームだった。
インターフォンを鳴らし、賢人さんとエントランスのオートロックを抜ける。エレベータに乗り部屋の前まで行くと、玄関扉を開けた状態で昴が倒れかけていた。
そんな元カレを賢人さんが支えてベッドまで連れていく。
「本当にひどい熱だな」
「なんで……あんたがいるんだよ」
意識が朦朧としている昴の言葉を無視してベッドに寝かせ、賢人さんは買ってきた体温計を彼の脇に突っ込み冷却シートを火照った額に張り付ける。
そのあいだに私は冷蔵庫に経口補水液やゼリーをしまい、キッチンを借りてお粥を作った。
「風邪っぽいな。今日はゆっくり寝て、明日病院に行った方がいい」
「だから、なんであんたが……」
「具合が悪いんだろ? 君を心配する和花が、俺は心配でね」
ベッドルームから聞こえてくる賢人さんの淡々とした声と昴の力ない声を聞くともなしに聞きながら二口コンロの狭いキッチン戸棚を開ける。