【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
表情を崩す彼に向き直って、私は足を止めた。頭ひとつぶん背丈のある彼も立ち止まる。切れ長の目が不思議そうに私を見下ろしている。
住宅街のひっそりとした空気がふたりを取り巻いて、一瞬、薄闇に私たちだけしかいないような錯覚に陥った。
大好きです。
あなたを独り占めしたい。
特急列車を降り立ったときからずっと胸の内で高ぶっていた気持ちが、いい加減、噴出寸前だ。
大丈夫。賢人さんなら、きっと受け入れてくれる。
そう思うのに、いざとなると言葉がうまく出てこない。
なかなか言い出せない私に、彼の方が口を開いた。
「どうした、具合でも悪い? まさかあいつの風邪をもらったか? いや、だとしてもまだ症状は出ないか……」
あらぬ方向に思考を巡らす賢人さんにぶんぶん首を振り、思い切って言葉を紡ぐ。
「私、賢人さんと一緒に住みたいです」
しんと空気が静まって、頬が燃えていく。告白でもしているみたいに胸がバクバク鳴って逃げ出したい気持ちになった。
それでも、彼をまっすぐ見上げて言い切る。
「同棲……したいです」