【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
「なんだか……いつも背負ってる花がしぼんでるというか、空気が淀んでるというか」
鋭いな、と思いつつ真凛特有の言い回しに苦笑が漏れる。
世の男性を振り向かせるほどの美貌をもつ彼女は、見た目に反してユニークな表現を使ったり言葉の端々に毒を織り交ぜたりする。
なににも媚びず、はっきりと物を言う彼女はカッコよくて、私の憧れの存在だ。
「そういえば、アレも最近おとなしいわね」
目線を追うと、ビリヤードのキューを持ってぼうっとしている池崎さんが目に入った。
目が合った途端、彼の方がパッと視線を逸らす。
「あいつとなにかあった? ああやって和花のことをずっと見てるけど……前みたいに接触はしてきてないみたいね」
前々から私たちに絡んでくることが多かった池崎先輩を面倒そうに見やってから向き直る真凛の大きな瞳には、心配そうな色が浮かんでいた。
食欲がなくて箸で掴んだまま口に運べずにいた卵焼きに目を落とす。少し焦げてしまったそれに、懺悔するみたいに私はつぶやいた。
「彼氏がいるって、伝えた」
普段あまり感情を顕わにしない真凛が目を見開いた。