【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
「えっ。まさか部長と付き合ってること――」
「ううん。ちょうど通りすがった元カレが彼氏のフリをしてくれたというか」
池崎さんに告白されたことまで話すべきか迷ってモゴモゴしていると、真凛はなにかを察したようにため息をつく。
「入り組んでるわけね」
「うん。でもそのことは全然関係なくて……」
途切れた言葉が続かない。
今の自分の状況をどう話せばいいか、私にもわからなかった。
賢人さんはいつも通り優しいし、私たちの関係はこれまでとなにひとつ変わらない。
それなのに、私の胸にはモヤモヤと霧が立ち込めている。
賢人さんが、本当は何を考えているのか。
『――すまない』
頬をこわばらせた彼が、頭から離れない。
二週間前に同棲を断られたあの夜から、私は賢人さんのことがわからなくなってしまった。
時間があるとマイナスなことばかり脳を過ぎるから、なるべく仕事に集中するようにしているけれど、食欲まで落ちるのは想定外だ。
十二月に入って世間はクリスマスモードに突入し、商店街の景色も電車の広告もクリスマス仕様に変わった。