【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
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午後四時。
営業部の定例ミーティングを終えるや否や賢人さんはノートPCを持って立ち上がった。ドアを抜け、そのまま役員が集まる会議室に向かって行く。
年末が迫って予定が立て込んでいる彼は、一日中会議に出ずっぱりだ。
大きな背中が消えていったドアをぼんやり眺めている間に営業部の面々が立ち去り、気が付くとミーティングルームで池崎さんとふたりになっていた。
慌ててコンセントから充電ケーブルを抜き、撤収作業を始める。と、背後から「小松ちゃん」と声を掛けられた。
「もうすぐクリスマスだね。今年もCEOからケーキの差し入れあんのかなぁ」
池崎さんに話しかけられるのは随分久しぶりだ。
「どうでしょうねぇ」
画面共有用の大型モニターの電源を落としケーブルをまとめながら、適当な相槌を打った。
ミーティング中は気を張って議事録作成に集中していたけれど、賢人さんが席を立った瞬間から一気に気が抜けてしまった。
仕事中はミスをしないように必死なぶん、ちょっとした休憩時間や集中が途切れたときの反動が大きい。まるで半分眠りに落ちているみたいに、頭が働かなくなるのだ。