先輩の愛に溺れながらずっと
「頑張って!先輩!」


私はいつの間にかそう大声で叫んでいた。


応援を思い切り出したその瞬間、先輩が少しだけこっちを見て微笑んだ気がした。


先輩はもっとスピードが上がって、
ゴールを切ったのは佐原くんと王高先輩

同時………?


「どっちだ!今の!」

「1年じゃね?」

「いや、3年かも!」


辺りからそんな声が聞こえてくる。


どっち─────?




「1年生と3年生はほぼ同時にゴールしました。」


アナウンスが聞こえてくる。


「1位は ───」

思いきり目をつぶって結果を待つ。



「3年生です!!」


えっ!?

「やったねー!やな!」


3年生!?
王高先輩が勝ったんだ!

「うん!!」

「でもこんな喜んだらダメだよね。私達は1年を応援するべきだし!」

笑って言う真葉。

そうだ!
1年生を応援しないといけないのに。


「王高先輩と佐原くんの勝負しか私達は頭になかったね!」


そう言って2人で笑った。


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