先輩の愛に溺れながらずっと
決着
体育祭が終わったらうちの学校は打ち上げがある。
だから佐原くんにも王高先輩にも決着をつけるのは今がチャンスだ。
まずは………
「佐原くん。ちょっといい?」
友達と話している佐原くんに声をかけた。
「うん。大丈夫。」
佐原くんは私の真剣な顔を見て告白の返事だと悟ったのか友達と別れて時間を作ってくれた。
それからしばらく人がいないところまで歩いて
「ごめんなさい。私、佐原くんとは付き合えません。」
「そっか。」
佐原くんは一瞬顔を歪めた。でも、すぐに笑顔を浮かべて、
「花咲さんはさ、取り柄のない女なんかじゃないんだからね?
だから王高先輩にもちゃんと気持ち伝えなよ?」
佐原くん………。
私の気持ちを分かっていたかのように笑顔で言ってくれた。