先輩の愛に溺れながらずっと
「うん。ありがとう。」


「きっと上手くいくよ。
俺とこれから気まずくなるとかやめてよ?
別のクラスだけど、これからも友達として仲良くしてくれたら嬉しい。」


友達として………
私は佐原くんを振ったのに仲良くしてくれるの?


「ありがとう。
私を好きになってくれてありがとう。」


「うん。ほらっ!行って!」


「うん!」

佐原くんに背中を押されて先輩の元へ走る。


人がいっぱいいるところまで来て先輩の姿を探す。


王高先輩の姿はすぐに見つけられて


「王高先輩!!」


遠くから呼んでしまって王高先輩の近くにいた人達の目線が一気に集まる。

「え、なになに?快里呼ばれてんじゃん。
めっちゃ可愛いし、俺タイプだわ。
別に可愛いかったら何も気にしないし〜。」

「え?あの子、借り人競争で快里が選んだ子じゃん!え?どんな関係?もしかしてカレカノじゃないよね!?」

「え〜、釣り合わない〜。顔は可愛いけどさ?」


やってしまった…………
もっと近くで声かけるべきだった。

色々な声が聞こえてきて

周りからの視線と飛んでくる言葉で恥ずかしくなって下を向いた時だった。
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