無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

国王の帰還

 ヴィクターたちは、わたしたちの勝負が終ってかなり遅く戻ってきた。

 当然のことながら、彼らはウォーターズ帝国軍を追い払った。というよりか、帝国軍はさほど抵抗することなく背を向けたらしい。

 ヴィクターたちは、その帝国軍の指揮官と副指揮官とその側近たちを連れていた。つまり、捕虜である。

 今夜は会ってくれないかとばかり思っていた。わたしなどと会う暇も余裕もないだろうと。それでも、「おかえりなさい」とひとこと言いたかった。ワガママなことはわかっている。だから、会えなければ伝言だけでもしてもらおうと、親衛隊の隊長ロビンにお願いしようとした。この気さくな壮年の隊長だったら、伝言ぐらいはしてくれるだろうと期待を抱いて。

 が、わたしがロビンと話をしているのを、キャロルに見つかってしまった。
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