無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

全力で拒否される

「陛下、とにかく落ち着いて下さい。話しましたよね? 彼女は、ウォーターズ帝国軍がわが国に迷い込んだお詫びだということなのです。皇帝は『特殊な力を持つ生贄だ。受け取って煮るなり焼くなりしてくれ』と言っていますが。ようするに政略結婚ということになるでしょう?」
「パーシー、バカにするのもほどがあるだろう? おれがここにやって来たから、慌てたに違いない。ウォーターズ帝国軍がわが国に侵入したのも、迷ったとか誤ってではない。おれたちがなにも言わないことをいいことに、あわよくばルビーを奪ってしまおうということだろう」
「ハッハハ。陛下の言う通りでしょうね。連中は、なにせルビー鉱山の近くをウロウロしていたのですから。しかも、帝国軍はルビーの鑑定士と商人まで連れていたそうです」
「笑いごとか、チャーリー?」
「パーシー、そんなに怒るなよ。おれにあたっても仕方がないだろう?」
< 51 / 375 >

この作品をシェア

pagetop