無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

初日が終わり、一夜明けて

「それにしても、以前とまったくかわっていないのに」

 姿形は以前とまったく同じで、力に目覚めたというような変化はまったく見られない。

「今夜は疲れたわ。考えるのは明日にして、とにかく休みましょう」

 あらためて鏡に近づくと、着用しているドレスはシワだらけになっている。

「それはそうね。馬車の床上で長い間眠っていたみたいだし、階段から落ちたりもしたから。だったら、このまま横になっても構わないわよね」

 これ以上、シワも出来ないでしょう。

 ドレスじたい、お母様の形見のドレスを手直ししながら着用しているので着古してしまっている。
< 93 / 375 >

この作品をシェア

pagetop