ファーレンハイト番外編 / おにぎり派の忠告
◇
捜査員用のマンションを出て駅方向へ三分ほど歩いた所にそのパン屋はあった。
駅に向かう時は別の道を使うから、ここにパン屋があるとは知らなかった。
そのパン屋はお店かと思ったが、商品什器が路面に面しているお店で、什器に並ぶパンは玲緒奈さんが言っていた通りの懐かしい感じのパンだった。
「いらっしゃいませ」
「ああ、えっと……」
「んふふふ……ごゆっくりお選び下さい」
優しげな声に顔を上げると、艶やかな黒髪をポニーテールにしている三角巾をした女性店員が微笑んでいた。
――キミの瞳を、逮捕する。
また俺は恋に落ちた。
捜査員用のマンションを出て駅方向へ三分ほど歩いた所にそのパン屋はあった。
駅に向かう時は別の道を使うから、ここにパン屋があるとは知らなかった。
そのパン屋はお店かと思ったが、商品什器が路面に面しているお店で、什器に並ぶパンは玲緒奈さんが言っていた通りの懐かしい感じのパンだった。
「いらっしゃいませ」
「ああ、えっと……」
「んふふふ……ごゆっくりお選び下さい」
優しげな声に顔を上げると、艶やかな黒髪をポニーテールにしている三角巾をした女性店員が微笑んでいた。
――キミの瞳を、逮捕する。
また俺は恋に落ちた。