2色のハチマキに想いを、



高木くんの細めた目が迫ってきて。



怖くて不意にギュッときつく目を瞑ると。



「......っ、お前、なにしてんの」



聞こえてきたのは、〝ある人〟の声。



『かわいー、かも』って言われたあの日から。



目が合ったらドキドキして。



気づいたら、ずっと考えちゃう相手。



──────篠倉珠里先輩の声。



その姿は、私の目の前にあって。



まさに......高木くんから守ってくれたかのよう。



「げっ、男の方の篠倉先輩じゃん」



篠倉先輩の視線のお陰なのか、なんなのか。



驚いた表情になる高木くん。



「早く、ここから立ち去ってくんない?」



なんで驚いているかは分からなかったけど。


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