別居恋愛 ~もう一度恋からはじめよう~
 玄関のドアが閉まると先ほどの瞳の表情が蘇ってきて、いたたまれない気持ちになる。久しぶりに顔を合わせたというのに、なんとも気まずい別れ方をしてしまった。罪悪感でいっぱいになる。先ほどのやり取りをやり直したくてたまらない。でも、時を戻すことなんてできるはずもなく、ただただ罪悪感が残る。

 瞳の悲し気な表情が頭から離れず、拓海はどうにも落ち着かなくて、気分を変えようと適当に家の周囲をうろついた。おそらく一時間くらいぶらついていたと思う。それでもなかなか気分が晴れなくてどうしようかと思っていたら、腐れ縁の優から飲みの誘いの連絡がきた。

 優も結婚しているのに、休日にこんな連絡を寄こしてきて大丈夫なのだろうかと思うが、拓海にとってはいい気晴らしになるかもしれないと拓海はその誘いを受けることにした。
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