課長のケーキは甘い包囲網
「喧嘩って、おい……まあそうだな。あそこに入るには除菌も必要だし、機密もあるので普通の人は入るのも難しい」
「そうだったんですね。ある意味、密室ですね」
「まあ、そうだな」
「私、入社してニ年目なのに行ったことないです。そういう場所だっていうことですね。でも甘い香りが立ちこめていて、きっと甘い雰囲気があるから社内恋愛したんじゃないんですか?有紀さんと……」
ワザと言ってみる。
「ま、そうだな。今度も甘い雰囲気になるかな?誰かと?」
にやりと私を笑って見下ろした。私は彼の背中を叩いた。
「裏切り者!両親とお兄ちゃんにも紹介したのに、裏切るんですか?」
「じゃあ付き合っているのを……異動する前に公表するか?」
「え?そ、それは、ちょっと……」