忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 授業が始まった。

「ここは、この式を先に使って」

「はい」

「それから……」

 説明している間は、目の前のことに集中できた。

 けれど授業が終わると、また入口へ目が向く。

 いない。

「…………」

 片づけをする。

 時計を見る。

 もう帰る時間だった。

 鞄に荷物を入れる。

 でも、席を立てない。

 もう少し。

 十分くらいなら。

 待っていてもいいよね。

 亜美は椅子に座ったまま、入口を見た。
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