忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 改札から人が出てくるたびに顔を上げた。

 違う。

 また違う。

 まだかな。

 もう一度、スマートフォンを見る。

『そこで待ってて』

 本当に来てくれるよね。

 もし。

 やっぱり行けないと言われたら。

「…………」

 嫌だ。

 今日は一人になりたくない。

 先生に会いたい。

「亜美」

 顔を上げた。

「……先生」

 丈がいた。

 その瞬間、涙が溢れた。

「亜美?」

 丈が眉を寄せる。

「どうしたの」

「…………」

 丈が近づいてくる。

 その顔を見たら、もう駄目だった。

「先生……」

 亜美は丈の服を掴んだ。

「…………」

「そんなに泣かないで」

「…………」

「ちゃんと来たでしょ」

 胸がきゅっとした。

 来てくれた。

 私が会いたいって言ったから。

「……はい」

「うん」

「先生……」

「うん」

「…………」

「いるよ」

 その一言で、また涙が落ちた。

 亜美は丈の服を掴んだまま、離せなかった。
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