忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 少し落ち着いてから、二人は駅を出た。

 しばらく歩いて、小さな公園に入る。

 二人でベンチに座った。

 少しだけ距離がある。

 亜美はその隙間を見た。

 遠い。

 ほんの少し、丈の方へ寄る。

 もう少し。

 肩が触れた。

「…………」

 そっと横を見る。

「何?」

「……何でもないです」

「そっか」

 丈は前を向いたまま。

 肩だけは、そのままだった。

「先生」

「うん?」

「…………」

「どうしたの?」

「呼んだだけです」

 丈が少し笑う。

「亜美らしい」

「……そうですか?」

「うん」

 その声が近くにある。

 それだけで、胸が落ち着いた。
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