忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 もう一度、唇が重なった。

 亜美は丈の肩から手を離さなかった。

 近い。

 恥ずかしい。

 それでも、離れたくない。

「亜美」

 すぐそばで名前を呼ばれる。

「……丈さん」

「うん」

 先生に答えを求めているわけじゃない。

 今は。

 ただ、この人といたい。

 そのことだけは、はっきりしていた。

 亜美は丈を見た。

「私が……こうしたいです」

「そっか」

 今度は、自分から近づいた。

 先生に任せているんじゃない。

 教えてもらっているんじゃない。

 私が、この人といたい。

「……丈さん」

「うん」

 その名前を呼びながら。

 二人の間に残っていた境界まで、ゆっくりとなくなっていった。
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