忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 どれくらい、そうしていたのか分からなかった。

 やがて亜美は丈の胸元に顔を寄せた。

「…………」

 今さらになって、急に恥ずかしくなる。

「亜美」

「……はい」

「こっち見ないの?」

「……見ません」

 丈が小さく笑う。

「笑わないでください」

「ごめん」

「……先生」

「戻ったね」

「……え?」

「さっき、名前で呼んでたでしょ」

「…………っ」

 一気に顔が熱くなる。

「あれは……忘れてください」

「それは無理かな」

「どうしてですか……」

 少し間が空く。

「嬉しかったから」

「…………」

 亜美は丈の胸元に顔を隠した。

「……恥ずかしいです」

「知ってる」

 また笑われた。

 でも。

 嫌ではなかった。
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