忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 幸也への恋がなかったことになるわけではない。

 初めて好きになった人。

 大切だった時間。

 それは、これからも亜美の中に残っていく。

 でも。

 今。

 会いたいと思う人。

 触れたいと思う人。

 離れたくないと思う人。

 その人は、すぐそばにいる。

「先生」

「何?」

「…………」

 亜美は少し迷った。

 それから、ほんの少しだけ丈へ近づく。

「……丈さん」

「うん?」

 やっぱり恥ずかしい。

 それでも、今度は目を逸らさなかった。

「好きです」

 丈が少し笑う。

「うん」

「俺も好きだよ、亜美」

 胸がいっぱいになった。

 初恋だけでは。

 終われなかった。

 亜美が最後に自分から求めたのは。

 ずっとそばにいた。

 丈だった。
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