佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

「あんなことするなんて、信じられない」

やっと朝食にありつけたのは、お昼時なのだ。

零士の膝の上で文句を言っても、当人には痛くもなく、澄まし顔でいるのが憎らしい。

しおりの大好きな海老マヨのおにぎりを覚えていてくれて、買ったきてくれたのは嬉しいから、文句も半減しているせいもある。

「あんなことも、当たり前にするけど」

「うそ…」

頭の中で、前の男との睦言を思い出していたのを零士は察する。

「前の男がどうかは知らないけど、あれも愛撫のひとつだから、慣れて。もっといろいろとお勉強が必要だな」

揶揄う零士に、しおりは顔を真っ赤にさせて睨んだのだ。

「零士は、たくさんの女性経験があるんでしょうけど、私は、零士が2人目だから…」

「ごほっ、ゴホッ…」

「大丈夫?お茶いる?」

「…」

ごくごくとお茶を飲み、息を吐く零士の背を撫でる。

「はぁっ…たまんない。俺の彼女が、うぶ過ぎて困る」

「こ、困るの?頑張るから、ねぇ!」

前の男がしおりの初めてなのは気いらないが、自分が満足する為だけに、しおりの体を開発しただけで、本来の楽しみを教え込んでいないことに感謝するのだ。
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