佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
一度、悩ましい様子で唸ったが、何かを放棄したように視線を逸らしていく。
しおりには、照れてるようにしか見えなかったが、加賀は見た目通りの真面目な男ではないと知っている零士は、まぁ、本人同士がよければ長く続くだろうと、2人の今後など知ったことではないと放棄したのだ。
しばらくすると、目の前に想像以上の野菜の量がのったラーメンに言葉を失っているしおりがいた。
「これで普通なの?」
「そうだよ」
続けて東雲のラーメンがライスと一緒に運ばれる。
それを見て目を点にするしおりに、東雲は笑う。
「驚いたろ」
「うん」
「食べれなさそうなら、少し野菜取ってやるよ」
自分の方に野菜を取ろうと箸を伸ばしかけた時、鞄からシュシュを取り出して後ろに髪を纏めるしおりの姿に、箸を止める。
「大丈夫。想像より大盛りだっただけだから、食べれる」
「そうか?まぁ、無理するなよ」
「いただきます」
邪魔にならないように髪を縛る姿にも、両手を合わせて、食べ始めるしおりの姿に好感は上がっていく。
「俺も、いただきます」
器の端にある赤唐辛子味噌を溶かして、スープを飲んだしおりは、大きな目を更に大きくする。
「んー、優しい甘さと唐辛子の辛さが絶妙。美味しい」
その声に、店主も東雲も笑顔になる。