佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

麺をスープに絡ませて啜る姿も、美味しいとわかる笑顔で、しおりはどんどん食べていく。

髪を気にしながら男の目を意識して食べる女達と違い、しおりの食べる姿は気持ちいい。

東雲も負けじとラーメンを無心に食べるのだ。

東雲とラーメン話で盛り上がって楽しく帰ってから、しおりの元へ辰巳からメールが届く。

『来月最初の日曜の夜、9時に駅前のシティホテル5010号室で会おう』

東雲と辰巳を忘れて楽しかった時間から、一気に現実に戻された。

等々、向き合わなければならないのだと、返信を返すしおりの心の中は、別れ話にならなければいいと願っていた。

約束の日曜日は、気が落ち着かなく、珍しく些細なミスを繰り返していた。

幸い、しおり自身が被るミスでお客様に迷惑をかけるようなことはなかったが、香織に気がつかれるほど、らしくなかったらしい。

お客様の来店が引いた時点で、隣の席から椅子を引いて隣にくる香織。

「どうしたんですか?しおりさんらしくないですよ。何かありました?」

「わかる?」

「わかりますよ。タッチペンとボールペン間違えます?」

「あはは、あれは、私もお客様も笑ったね」

「もう、どうしたんですか?」

「うーん。今はまだ。今度話聞いてくれる?」
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