佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
「わかりました。今度、聞かせてくださいね。絶対ですからね」
無理をして笑顔を作るしおりに、香織はもどかしさを感じていた。
日曜日は、営業時間通りに終わることなんて滅多になく、しおりは逸る気持ちで閉店すると、当番のスタッフに閉店作業を任せて待ち合わせへ向かった。
シティホテル5010室のドアの前で、大きな呼吸をしてドアをノック。
しばらくして、ガチャリとドアが開き、大好きな辰巳が心痛な面持ちで出迎えた。
「入って」
「…お邪魔します」
先を歩く辰巳は、キャリーケースがのったベットの端に立ち、しおりに添えつけの椅子をすすめる。
ベットに荷物があることから、辰巳の話は愛し合う為でない。
椅子に腰を下ろして辰巳を見上げると、辰巳は視線を逸らし窓側に立った。
「しおりの話ってなに?」
「…先月の中頃、駅近くのショッピングモールのブースにいる辰巳さんを見かけて、同僚と飲みにいく予定にしてたので、私のところに泊まるつもりでいるなら、早めに連絡しようとメールしたんですが、覚えてますか?」
「あぁ…」
「その日、コンフォルトってお店で、女性と親身そうにしている辰巳さんを見かけました。電話もかけたんですけど、繋がらなくて…あの方、どなたですか?」
「…しおり、別れよう」