今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


地下空間にてジェイドは、全力で魔法をブチかます王太子が恍惚に満ちているのを知ってしまう。


見てはいけないものを見てしまったとさすがに震えた。


ミカエルはアンとの不仲で溜まったストレスのはけ口を探しており、魔王はストレスをぶつけるのにとっておきの相手だった。


「お前が呪い魔法なんか広めるから、俺のアンが呪い塗れじゃないかどうしてくれんだよ!!」


ミカエルが魔王と呼ばれるものの胸倉をつかみ、持ち上げて睨みつけた。魔王は頭から二本の牡牛ツノが生えていて、一応人間の形をしている。


復活したばかりだからか、ミカエルにどちゃくそボコられたからか、魔王はパッと見て、しわしわで骨と皮だけのおじいさんの様相だ。

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