いつか永遠の眠りにつく日まで
私は震える唇を隠すように、ハンカチを顔に押し当てた。



「お2人とも、ご立派です。」



本当は、初めて会った、あの時から。

私はずっと、ずっと。


レオ様の優しさに、王としての姿勢に、その強さに、惹かれていたのだ。


夜の庭園を一緒に散歩した時の幸福感。


デネブリスへの道中や、城に着いてからのレオ様の私への優しさ。牢に繋がれたって、おかしくはなかったのに。

それどころか出歩くことを許し、書斎への出入りまで許して下さった。

中庭の花だって、毎日美しく保たれていて。


城下ではぐれたとき、本当はレオ様が見つけてくれることを期待していた。


食事をと言ったとき、一緒にならと仰って下さったのも本当は嬉しくて。

お休みになるときも私を離してはくれなくて、本当はドキドキして、でも嬉しくて、どうしていいか分からなかった。


翌朝目を覚ました時隣にレオ様はいなかったけれど、それでも、心は幸福で満たされていた。



「私…っ。」



けれど自覚したところで、この想いを口にすることはない。

なぜなら、私とレオ様には立場がある。



「……何も仰らなくて大丈夫です。きっと、城の皆が分かっていますから。」



その言葉に、私はむせび泣いた。


せめて。

せめてこのまま、許される限りでいい。レオ様のお側に居させてください。


私は強くそう、願った。
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