いつか永遠の眠りにつく日まで
地面に降り立った時には、手はブルブルと震え、足はガクガクだった。


(で、出来た…。)

何も出来ない箱入りのお姫様だった私にも出来た。その事実が嬉しかった。


私は気を引き締めると、警備の目を盗みながらそっと宿の敷地外へと出た。


外に出ると、相変わらずの人の多さに圧倒された。城下とはまた違った人の多さと活気。

私はなるべく人がいない方へと歩いて行った。


城下に比べ、どこか皆の顔が陰っている。辺りを少し歩いてもしやと気が付いた。


(城下に比べ、物が少ないんだわ。物価も高いような気がするし…。)

そういえば、元々デネブリスはこの気候と痩せた土地のせいで国交に頼りきりなのだった。


(もしかしたら、これでも良くなった方なのかもしれないわ…。)


私はルチェルナですらろくに出歩いたことがないから、自国がどんな風だったかは知らない。

それが恥ずかしかった。


(もしもルチェルナに帰ることが出来たら。そうしたら、城下を沢山歩こう。城下だけでなく、国中に足を伸ばそう。)


そんなことを考えながら歩いていると、気が付けば私は暗い路地裏へと入り込んでいた。



「よぉ、姉ちゃん。」



不意に横から肩を掴まれた。
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