【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
「そういえばもうすぐ夏祭りあるよね。菜摘行くの?」


シュンくんから出された話題に、私はパインを食べながら、首を縦に振る。


「今年は行けるかもって思ってて。
そう話したら、みんな帰ってくるって」


小学校からの幼なじみの、綾羽や紗南、恭弥に晴樹は、既に高校を卒業して、それぞれ大学や専門学校、就職と自分たちの道を進んでいる。

だけど、今も仲良くしてくれていて、久しぶりに4人に会えるのが私はとても楽しみだった。


「嬉しそうな顔しちゃって」


シュンくんはそう言いながら、私と同じくらい嬉しそうな顔をしてくれていた。


「俺も、隼人と行こうかなって言ってんの。高校の友達に会えるだろうからって。
菜摘とも会うかもね」

「そうなんだ!会えたら写真撮ろうね!」

「もちろん?」


そっか、お兄ちゃんと行くんだ。

彼女いないって本当なんだ…。


嬉しいような。
少し、誘ってほしかったような、
複雑な気持ち。

私は、その気持ちを隠すようににっこりと笑顔を見せて、その日は解散した。
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