【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網
「あの、本当にもうここで……」
「私、藤田先生の奥様とお話したかったんです」
「はい? え、私ですか?」
「はい。どんな方か興味があって」

 そう言って、にっこりと微笑む。うわ。やっぱり可愛い。

「そこで、少しお茶しませんか?」

 鉄平を見ると、健診で興奮して疲れたのか寝てしまっていた。まあベビーカーだから問題ないけど。

「はぁ……」

 結局、断りきれずカフェへ。 
 最近大学病院に入ったシアトル系コーヒーのお店だ。

 でも子育て中の今、カフェなんてなかなか来られないから少しワクワクする。

「私、研修医として初めて医局に来たとき、藤田先生に一目惚れしたんですよー」

 ……はい?

「背の高い私より、うんと背も高くて、イケメンで、出来る男ーって感じで。
 そんな人、今までいなかったから、もうそこから猛アタックしました!」

 え、それ、奥さんの私に言っちゃう?

「あの……えーと……」
「あ、大丈夫ですから。そのまま安心して聞いててください」

 あ、安心して?

「猛アタックしたんですけど、気付きもしないんですよ、藤田先生。私、これでも結構モテるんですよ? なのに」

 でしょうねぇ。可愛いもの。いや、美人だな。
< 108 / 154 >

この作品をシェア

pagetop