離婚したはずが、辣腕御曹司は揺るぎない愛でもう一度娶る
「別に俺はいいんだよ。あんな奴になにを言われてもなんとも思わない。だけど琴葉はダメだ。俺は琴葉には傷ついてほしくない。それが相手が誰だとしても、たとえかすり傷でも俺の目が届く範囲なら放っておけない」
彼の言葉の節々に様々な後悔の念を感じたのは気のせいだろうか。
でも私には、そんなふうに思ってもらう資格なんかないのに。
「ありがとう、玲司」
だけどこのときはどうしても素直に彼の思いを受け入れたかった。それを拒絶できるほど私は強くない。
「琴葉、俺のこと玲司って呼んでるの気がついてる?」
「あっ!」
本当に無意識だった。これまでかたくなに拒否していたのにこんなにさらっと口から彼の名前がでてきてしまったことに、はずかしくなり頬が熱くなる。
「うれしいよ、琴葉」
彼が私を抱きしめる腕に力を込めた。かつて私を守ってくれていた強くて温かくて、なによりも私の大切な場所〝だった〟彼の腕の中。今日だけはあの頃に戻ってこの幸せを享受したい。
明日からはまた、いつも通りにする。私は自分に誓う。
甘い時間を堪能していたところ、彼が急に私の首元に顔を埋めた。
「玲司?」
「はぁ、ごめんちょっとくらくらする」
「え、あ! やっぱりお酒無理してたんだ」
昔のままの彼ならば、とっくに許容量は越えていた。
「ちょっと座ってください。お水もらってきます」
その場に座らせた彼に、冷たい水を渡す。
「ごめん、もっとカッコつけたかったんだけど」
眉尻をさげて残念そうにする彼だったが、そんな姿すら今の私の目にはカッコよく映った。
「いいえ。今だってすごくカッコいいですよ」
それは本音だ。
今日一日、ずっと私を守ってくれていた。そんな彼がカッコ悪いはずなどない。
「琴葉」
彼が私の手を取ってギュッと握った。彼の体温を感じるとどうしても心拍数が上がってしまう。
言葉のないまま、お互い見つめ合う。彼がなにを求めているのかわかる気がする。でもそれを無視しなくてはいけない私の胸に痛みが走る。
「琴葉。俺――」
彼がそこまで口にしたとき、彼のスマートフォンが鳴った。そこで彼はハッと我に返ったようで私の手を放す。
「ごめん、そろそろ迎えが来る。君はタクシーで帰って」
「え……でも」
「ふたりでいると、また琴葉が危険な目に合うかもしれない。俺も一応男なので」
彼の言葉の節々に様々な後悔の念を感じたのは気のせいだろうか。
でも私には、そんなふうに思ってもらう資格なんかないのに。
「ありがとう、玲司」
だけどこのときはどうしても素直に彼の思いを受け入れたかった。それを拒絶できるほど私は強くない。
「琴葉、俺のこと玲司って呼んでるの気がついてる?」
「あっ!」
本当に無意識だった。これまでかたくなに拒否していたのにこんなにさらっと口から彼の名前がでてきてしまったことに、はずかしくなり頬が熱くなる。
「うれしいよ、琴葉」
彼が私を抱きしめる腕に力を込めた。かつて私を守ってくれていた強くて温かくて、なによりも私の大切な場所〝だった〟彼の腕の中。今日だけはあの頃に戻ってこの幸せを享受したい。
明日からはまた、いつも通りにする。私は自分に誓う。
甘い時間を堪能していたところ、彼が急に私の首元に顔を埋めた。
「玲司?」
「はぁ、ごめんちょっとくらくらする」
「え、あ! やっぱりお酒無理してたんだ」
昔のままの彼ならば、とっくに許容量は越えていた。
「ちょっと座ってください。お水もらってきます」
その場に座らせた彼に、冷たい水を渡す。
「ごめん、もっとカッコつけたかったんだけど」
眉尻をさげて残念そうにする彼だったが、そんな姿すら今の私の目にはカッコよく映った。
「いいえ。今だってすごくカッコいいですよ」
それは本音だ。
今日一日、ずっと私を守ってくれていた。そんな彼がカッコ悪いはずなどない。
「琴葉」
彼が私の手を取ってギュッと握った。彼の体温を感じるとどうしても心拍数が上がってしまう。
言葉のないまま、お互い見つめ合う。彼がなにを求めているのかわかる気がする。でもそれを無視しなくてはいけない私の胸に痛みが走る。
「琴葉。俺――」
彼がそこまで口にしたとき、彼のスマートフォンが鳴った。そこで彼はハッと我に返ったようで私の手を放す。
「ごめん、そろそろ迎えが来る。君はタクシーで帰って」
「え……でも」
「ふたりでいると、また琴葉が危険な目に合うかもしれない。俺も一応男なので」