離婚したはずが、辣腕御曹司は揺るぎない愛でもう一度娶る
なんだか新鮮だな。女同士だとお互い譲りあったりするし、かつてデートしていた相手は常に私を優先するような人だった。
「ほないくで、じゃんけんぽん」
慌ててパーを出したら、向こうはチョキを出した。
「やった~俺の勝ちやな」
うれしそうに喜ぶ君塚をみていると、なんとなく悔しい。
「飲み物はアイスティーやろ?」
「うん。あ、でも私が買うよ。チケット代出してもらったし」
「そんな細かいこと気にせんでええから」
引き止めようとした私を振り切って、君塚はさっさと歩いて行ってしまう。
「もう、せっかちなんだから」
止める間もなく人混みの中に彼の背中が消える。土曜日の映画館で新作の映画が公開してすぐとあって混雑している。
私は大人しく君塚が戻ってくるのを待った。そして戻ってきた彼を見てびっくりする。
「なんでキャラメル味買ってきてるの?」
「なんか直前になって気分が変わったんだ」
「わざわざじゃんけんまでしたのに。もしかして私に気を遣ってくれたの?」
「ええやないか、細かいことは。ほら、中に入るで」
気のせいか彼の耳の先が赤い気がする。
「気も遣えるし、けっこうイケメンなのになんで彼女がいないんだろうね。モテそうなのに」
「俺は別にモテたいわけやない。好きな子に振り向いてもらいたいだけや」
彼が片想いをしているなんて初耳だ。まぁ、同期のしかも女子に相談はしづらかったのかもしれない。
「そうなの? え~それなら私なんか誘ってないで、その子誘えばよかったのに」
「お前なぁ~」
君塚が口を開いたと同時に、会場にアナウンスが流れた。
「あ、もう中に入れるみたいだね。行こう」
「わかったよ」
なぜだか彼はうなだれているようだ。
「どうかしたの? やっぱりポップコーン塩がいいなら私買ってくるよ」
「はぁ……いや、いいよ。行こう」
「うん」
最後はため息までついた君塚に首をかしげながら私は彼のあとに続いた。
十四時過ぎ。
私と君塚は映画を見終えて、近くにあるカフェで少し遅めのランチをとっていた。私たちの目の前には熱々のグラタンが並んでいる。
「いただきます~!」
ふうふうと息をかけて冷ましながら、口に運ぶ。
「ん~おいしい。平日のランチだとゆっくりできないから、こういうの食べられないよね?」
「ほないくで、じゃんけんぽん」
慌ててパーを出したら、向こうはチョキを出した。
「やった~俺の勝ちやな」
うれしそうに喜ぶ君塚をみていると、なんとなく悔しい。
「飲み物はアイスティーやろ?」
「うん。あ、でも私が買うよ。チケット代出してもらったし」
「そんな細かいこと気にせんでええから」
引き止めようとした私を振り切って、君塚はさっさと歩いて行ってしまう。
「もう、せっかちなんだから」
止める間もなく人混みの中に彼の背中が消える。土曜日の映画館で新作の映画が公開してすぐとあって混雑している。
私は大人しく君塚が戻ってくるのを待った。そして戻ってきた彼を見てびっくりする。
「なんでキャラメル味買ってきてるの?」
「なんか直前になって気分が変わったんだ」
「わざわざじゃんけんまでしたのに。もしかして私に気を遣ってくれたの?」
「ええやないか、細かいことは。ほら、中に入るで」
気のせいか彼の耳の先が赤い気がする。
「気も遣えるし、けっこうイケメンなのになんで彼女がいないんだろうね。モテそうなのに」
「俺は別にモテたいわけやない。好きな子に振り向いてもらいたいだけや」
彼が片想いをしているなんて初耳だ。まぁ、同期のしかも女子に相談はしづらかったのかもしれない。
「そうなの? え~それなら私なんか誘ってないで、その子誘えばよかったのに」
「お前なぁ~」
君塚が口を開いたと同時に、会場にアナウンスが流れた。
「あ、もう中に入れるみたいだね。行こう」
「わかったよ」
なぜだか彼はうなだれているようだ。
「どうかしたの? やっぱりポップコーン塩がいいなら私買ってくるよ」
「はぁ……いや、いいよ。行こう」
「うん」
最後はため息までついた君塚に首をかしげながら私は彼のあとに続いた。
十四時過ぎ。
私と君塚は映画を見終えて、近くにあるカフェで少し遅めのランチをとっていた。私たちの目の前には熱々のグラタンが並んでいる。
「いただきます~!」
ふうふうと息をかけて冷ましながら、口に運ぶ。
「ん~おいしい。平日のランチだとゆっくりできないから、こういうの食べられないよね?」