その笑顔を守るために
「三ツ矢ーお疲れー」
更衣室で、後から来た篠田が背中をポンとたたいた。
「いやーそれにしてもすごかったなぁー原田先生のオペ…あれだけの損傷をあの短時間で終わらせるなんて…しかも皮膚縫合は全て「ハイド」だったろ?あの縫合この間原田先生に教わって、今練習してるんだけど…ちょっと難しくてさぁー結構時間かかっちゃうんだよなぁーそれをあのスピードでこなすんだから、参るよなぁー完全に脱帽だー」
頭を掻いている。
「そうですね。」
三ツ矢は無表情で答えた。
「何だよー気のない返事だなぁ」
篠田は彼の首に腕を回して絡みついた。
しかし、その時三ツ矢は別の事を考えていた。…もし、今の原田が父を診察していたら…そして、オペをしたとしたら…父は死なずに済んだのだろうか?…と
警察の聴取を済ませた瑠唯に大野が声を掛けた。
「お疲れ!どうだ?あの子…」
「はい…オペ…無事に終わりました。損傷が酷かったので少し時間がかかりましたが…それとちょっと足が…神経が戻るかどうかが、心配です。」
「ああー?異例の速さだったて聞いたぞ?足の神経は分からんなぁ〜切断は免れたんだろ?」
「それは…なんとか…皆、先生のオペの速さを知らないからです!」
「でも、皮膚縫合…全て「ハイド」でやったんだろ?」
「はい。女の子ですから…いつか誰かに恋をして…いつかお嫁にいく時がきっと来るから…」
「まあ…そうだな…で?原田、お前は何時いくんだ?嫁に…」
「はぁ〜?私は、いきませんよ!毎日、先生にしごかれまくって、それどころじゃありませんから!」
思わず大野を睨見つけた。
「そんな事言ってるといき遅れるぞ。…あっ、行くと言えば…今夜行くか?」
「はい…一応…先生の歓迎会ですから…」
「お前だって、歓迎されるうちの一人だろ?」
「あんまりそう言うのは得意じゃないですけど…」
「俺だって、歓迎なんかされる様な柄じゃねえよ!」
大野はガハハハと笑いながら、去って行った。何時もと全く変わらない様子で…
…何だったんだ?あれは…
数時間後…瑠唯は美香の様子をみるため、ICUに足を運んでいた。静まり返った部屋には規則正しい機械音が響いている。時折、看護師が行き交いモニターや点滴のチェックをする様子がうかがえる。
「村上さん…どうですか?」
瑠唯は近くにいた看護師に声を掛けた。
「はい。落ち着いてます。先程少しだけ目を覚ましたのですが、直ぐにまた寝てしまって…」
「そうですか。何かあったら直ぐ連絡下さい。」
そう言い残してICUを出ると、そこに美香の父親が椅子に腰掛けて項垂れていた。
「お父さん…」
瑠唯がそっと声をかけると気付いた父親がハッとして顔をあげた。
「先生…美香は…?」
「大丈夫です。落ち着いていますよ。先程少しだけ目を覚ました様ですが…今は又眠ってます。…もし良ければ、ちょっとだけ、顔をご覧になりますか?」
「えっ?いいんですか?」
「ええ…ちょっとだけですけど…」
そう言うと瑠唯は父親を室内に促す。看護師が一瞬視線を送るが、何も言わない。
「どうぞ、此方です。」
他の患者が横たわるベットや機械の間を抜けて瑠唯が父親を美香のベットまで案内すると、父親は直ぐ様美香に歩み寄り手を握る。
「美香!美香!」
呼びかけるが、目は瞑ったままだ。その場を静かに離れた瑠唯が看護師に声を掛けた。
「暫くの間、側に居させてあげて下さい。」
更衣室で、後から来た篠田が背中をポンとたたいた。
「いやーそれにしてもすごかったなぁー原田先生のオペ…あれだけの損傷をあの短時間で終わらせるなんて…しかも皮膚縫合は全て「ハイド」だったろ?あの縫合この間原田先生に教わって、今練習してるんだけど…ちょっと難しくてさぁー結構時間かかっちゃうんだよなぁーそれをあのスピードでこなすんだから、参るよなぁー完全に脱帽だー」
頭を掻いている。
「そうですね。」
三ツ矢は無表情で答えた。
「何だよー気のない返事だなぁ」
篠田は彼の首に腕を回して絡みついた。
しかし、その時三ツ矢は別の事を考えていた。…もし、今の原田が父を診察していたら…そして、オペをしたとしたら…父は死なずに済んだのだろうか?…と
警察の聴取を済ませた瑠唯に大野が声を掛けた。
「お疲れ!どうだ?あの子…」
「はい…オペ…無事に終わりました。損傷が酷かったので少し時間がかかりましたが…それとちょっと足が…神経が戻るかどうかが、心配です。」
「ああー?異例の速さだったて聞いたぞ?足の神経は分からんなぁ〜切断は免れたんだろ?」
「それは…なんとか…皆、先生のオペの速さを知らないからです!」
「でも、皮膚縫合…全て「ハイド」でやったんだろ?」
「はい。女の子ですから…いつか誰かに恋をして…いつかお嫁にいく時がきっと来るから…」
「まあ…そうだな…で?原田、お前は何時いくんだ?嫁に…」
「はぁ〜?私は、いきませんよ!毎日、先生にしごかれまくって、それどころじゃありませんから!」
思わず大野を睨見つけた。
「そんな事言ってるといき遅れるぞ。…あっ、行くと言えば…今夜行くか?」
「はい…一応…先生の歓迎会ですから…」
「お前だって、歓迎されるうちの一人だろ?」
「あんまりそう言うのは得意じゃないですけど…」
「俺だって、歓迎なんかされる様な柄じゃねえよ!」
大野はガハハハと笑いながら、去って行った。何時もと全く変わらない様子で…
…何だったんだ?あれは…
数時間後…瑠唯は美香の様子をみるため、ICUに足を運んでいた。静まり返った部屋には規則正しい機械音が響いている。時折、看護師が行き交いモニターや点滴のチェックをする様子がうかがえる。
「村上さん…どうですか?」
瑠唯は近くにいた看護師に声を掛けた。
「はい。落ち着いてます。先程少しだけ目を覚ましたのですが、直ぐにまた寝てしまって…」
「そうですか。何かあったら直ぐ連絡下さい。」
そう言い残してICUを出ると、そこに美香の父親が椅子に腰掛けて項垂れていた。
「お父さん…」
瑠唯がそっと声をかけると気付いた父親がハッとして顔をあげた。
「先生…美香は…?」
「大丈夫です。落ち着いていますよ。先程少しだけ目を覚ました様ですが…今は又眠ってます。…もし良ければ、ちょっとだけ、顔をご覧になりますか?」
「えっ?いいんですか?」
「ええ…ちょっとだけですけど…」
そう言うと瑠唯は父親を室内に促す。看護師が一瞬視線を送るが、何も言わない。
「どうぞ、此方です。」
他の患者が横たわるベットや機械の間を抜けて瑠唯が父親を美香のベットまで案内すると、父親は直ぐ様美香に歩み寄り手を握る。
「美香!美香!」
呼びかけるが、目は瞑ったままだ。その場を静かに離れた瑠唯が看護師に声を掛けた。
「暫くの間、側に居させてあげて下さい。」