その笑顔を守るために
大きなダブルベットの真ん中にそっと降ろすと、山川は堪らず瑠唯にのしかかる。噛みつく様なキスをして、その唇を耳の後に…首元に…肩から胸元に…そしてTシャツをたくし上げ、やがてそれは胸の頂にたどり着く。

堪らず瑠唯が声を漏らした。

「んっ…あっ…先生…」

ひとしきりそこを堪能した山川の唇は更に下へとおりていく。みぞおち、臍、下腹…更に下へ…瑠唯がフッと息を呑み、身構えたとき
疼くそこを通り越して、太腿、膝
更に足首…と辿る。感じる疼きに堪えきれずに瑠唯が太腿を擦り寄せた。しかし山川はそれを許さず身体を起こし瑠唯の両足を割り開いてその中心に顔を埋める。

「…っ…やっ…先生だめ…あっ」

更にそこを舐め回し、吸い付き、瑠唯がトロトロに溶けだしたとき深みに舌を差し入れた。

「あっ…あっ…あっ…ああぁ」

瑠唯の中で何かが弾ける。

「好きだよ…瑠唯…」

瑠唯の身体に何か硬いものがあたる。その感触に「あっ…」と思ったとき、とろけた身体に薄膜を纏ったそれが沈み込んだ。
そこから先は殆ど記憶にない。噛みつく様なキス…きつく抱きしめられ、揺さぶられてやがて瑠唯は大きな波に呑み込まれていく。



水の中に深く深く沈み込んで…絶え間ない淀みの中を漂っているようだった。そこはまるで母の胎内のように穏やかで温かい。身体をすっぽりと包み込まれているような温もりを感じて瑠唯はフッと目を覚ます。こんなにも深く寝入ったのはいったいいつぶりだろうか?カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。…今、何時…?…
心地よい目覚めに次第に鮮明になる思考…何…これ…気付くと瑠唯は後からがっしりと抱きかかえられていて、身動きも取れない。背中からは規則正しい寝息が聞こえてくる。…あっ…私…先生と…
思わず瑠唯がモゾっと動いた。

「んっ…起きた?…」

次の瞬間、ギュっと抱きしめられる。

「なんか久しぶりに、物凄くよく眠ったような気がする。外科医はさぁ、しっかり睡眠とんなきゃいけないのに、僕は眠りが浅くて…でも、昨夜はぐっすり眠れた。欲しくて欲しくて仕方がなかったひとがやっと手に入ったから…」

うなじで囁く声がくすぐったい。そう思った時、お尻のあたりに硬いものがグイっと押し付けられた。瑠唯の中がジワっと泥濘む。

「まだ…離したくない。」

回った腕に力が入る。

「せ、先生?…じ、時間…病院…行かなきゃ!」

「大丈夫…まだ六時だよ。」

頭の上でガサっと音がして、山川が後でモゾモゾしている。

「先生…何時もそんなもの用意してるんですか?」

瑠唯がクスっと笑った。
山川は少し口籠って

「まさか…昨日コンビニでこっそり買った。」

そういい終わるか終わらないうちに、猛然と襲いかかってきた。


「もう少し寝ていて…朝からちょっと無理させたから、ゆっくりしていて。先にシャワーを浴びてコーヒーを入れておく。」

そう言うと山川は腰にタオルを巻いて寝室を出て行った。心なしか足取りが軽い。瑠唯はグルンと寝返りをうつと上を見上げてグっと伸びをする。

「よし!」と言って、勢いよく起き上がった。

昨日借りたTシャツとスウェットを身に付けてリビングに顔を覗かせると、濡れた髪をタオルで拭きながら山川がコーヒーメーカーにコーヒーをセットしている。

「あれ?もう起きちゃったの?今、コーヒーが入ったら起こしに行こうと思ってたのに。だったらシャワーを浴びておいで。昨日洗濯機に入れたウェアも乾いてるはずだよ。」

「あ…はい、じゃあお借りします。」

瑠唯は勢いよくシャワーを浴びる。少しぬるめのお湯が気持ちいい。身体の中には、まだ山川を感じる。瑠唯は自分の身体をギュっと抱きしめた。

心は決まった。








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