その笑顔を守るために
「いらっしゃい!お二人ですか?良かったらカウンターにどうぞ!」
店に入るなり、店長らしき男性の威勢の良い声が飛んできた。
「じゃあ、カウンターにしよう。焼きたてが食べられるよ。」
山川に促されて、瑠唯はカウンターの端に腰掛ける。
「いらっしゃいませー。」
奥から明るい声の女性がおしぼりを持って出てきた。
「あぁー!山川先生!」
「ああ…斉藤さん!職場復帰されたんですね。」
「はい!事故の時は本当にありがとうございました。今はすっかりとは行きませんが、少しずつ仕事もしています。」
するとカウンターの中から先程の男性が
「あれ?髙山総合病院の…あの時涼ちゃん助けてくれた先生方ですか?その節は本当にありがとうございました。」
「たまたま、此処で歓迎会を開かせて頂いてて…お店の方も大変でしたね。」
山川が答える。
「いやーほんとびっくりしました!長い事此処で商売やってますが、あんな事初めてで…」
「店長、当たり前ですよ!あんなのしょっちゅうあったらたまったもんじゃない!」
涼ちゃんと呼ばれた女性の軽快な突っ込みが入る。
「それにしても、あの時先生方がいてくれて本当によかったですよ。涼ちゃんも、大怪我はしましたが、迅速な処置で大事にならずに済みましたし…もうちょっと手当が遅れていたら命も危なかったって言われました。それに、突っ込んできた車に乗ってた親子さんも、そっちの先生のおかげで、お母さんと娘さん…助かったって…」
「良くご存知ですね。」
山川が不思議そうに訪ねる。
「ええ…先週末、退院祝いにって三人でいらしてくれて…店に迷惑かけたって何か貰いもんまでしちゃって…かえって申し訳なかったくらいで…あの事故、あの人達のせいじゃあなくてむしろ被害者だったのにねぇ…でも、三人とも元気になって楽しそうに食べてってくれました。」
「そうですか。それはよかった。僕は担当医ではなかったけど…原田先生、知ってた?」
「いえ…私も、担当外れてたので…ただ、めぐちゃんは時々美香ちゃんや真理ちゃんとお話ししてるの見かけてましたけど…」
「ああ…その娘さん、言ってましたよ。手術してくれた女の先生が凄く優しくて、時々くれる飴が美味しかったって。その飴、お母さんにねだったんだけど、何処にも売ってないってお母さんも困ってましたよ。」
瑠唯と山川が顔を見合わせて笑った。
「あれー先生方って付き合ってるんですか〜?」
涼ちゃんの再びの突っ込みに
「い…いえ、そういう訳では…」
焦る瑠唯の隣で、山川が平然と言ってのける。
「今、口説いてる最中!」
「へぇ~山川先生に口説かれて、即決しない女の人っているんだー!私だったら即、オッケーなのにー入院中も看護師さんや患者さん達にモテモテでしたもん。隣のベットのおばさんなんか、山川先生の回診の日はお化粧してたし…まっ、そうゆうことなら残念だけど私は先生の応援しますよ!」
「涼ちゃん、お喋りはそのくらいで…オーダー取って!」
「は〜い!先生、何します?」
「じゃあ…僕はビールで、君は?ソーダ水?後、焼き鳥はお任せセットで…」
「あれ?原田…先生でしたっけ?呑まれないんですか?」
「ああ…えーちょっと酒癖悪くて…ソーダ水でお願い致します。」
「ええーいいじゃないですかー今日は山川先生に甘えちゃえば!」
「涼ちゃん!早く飲み物お出しして!」
「あっ…すみません、お邪魔しました〜」
と、涼ちゃんは出てきた時と同じように勢いよく奥へ引っ込んだ。
「すみません。お騒がせしちゃって…じゃあ、これ…お任せセットです。こちら、店からサービスさせてもらいますから。」
すまなそうな顔の店長がそう言って十本ほど焼き鳥ののった皿を差し出す。
「いや…駄目ですよ、そんなの」
恐縮する山川に…
「いえ…召し上がって下さい!先生にはうちの大事な従業員を助けていただきました。涼ちゃんは高校生の頃からのバイトに来てくれてて、今じゃなくてはならない大切な仲間なんです。それに、髙山総合病院の先生方にはとてつもない恩がありますから…」
「とてつもない恩?」
「ええ…店…結構ダメージでかくて、改修費やら何やらに相当かかるって頭抱えてたら、あの日の幹事やってた先生が、その時のお代も払ってくれて…俺はあんなことになってその日のお代はいただけないと言ったんですが…それだけじゃなくて…クラウドなんちゃらとか言って、院内の先生方に寄付まで募ってくれて…おかげで銀行からの融資と合わせてなんとか店を再建出来ました。本当にありがとうございました。」
そう言って深々頭を下げた。
「寄付…?ああ、そういえば篠田先生になんとかって言われて出したような…?原田先生も?」
「あっ…確か、長谷川先生に言われて…あれって此処のお店のだったんですか?」
「そうです。ですからこれは、そのクラウドなんちゃらの返礼品です。」
「そう言うことなら遠慮なくいただきます。」
そう言うと山川はパクっと焼き鳥を口に入れた。
店に入るなり、店長らしき男性の威勢の良い声が飛んできた。
「じゃあ、カウンターにしよう。焼きたてが食べられるよ。」
山川に促されて、瑠唯はカウンターの端に腰掛ける。
「いらっしゃいませー。」
奥から明るい声の女性がおしぼりを持って出てきた。
「あぁー!山川先生!」
「ああ…斉藤さん!職場復帰されたんですね。」
「はい!事故の時は本当にありがとうございました。今はすっかりとは行きませんが、少しずつ仕事もしています。」
するとカウンターの中から先程の男性が
「あれ?髙山総合病院の…あの時涼ちゃん助けてくれた先生方ですか?その節は本当にありがとうございました。」
「たまたま、此処で歓迎会を開かせて頂いてて…お店の方も大変でしたね。」
山川が答える。
「いやーほんとびっくりしました!長い事此処で商売やってますが、あんな事初めてで…」
「店長、当たり前ですよ!あんなのしょっちゅうあったらたまったもんじゃない!」
涼ちゃんと呼ばれた女性の軽快な突っ込みが入る。
「それにしても、あの時先生方がいてくれて本当によかったですよ。涼ちゃんも、大怪我はしましたが、迅速な処置で大事にならずに済みましたし…もうちょっと手当が遅れていたら命も危なかったって言われました。それに、突っ込んできた車に乗ってた親子さんも、そっちの先生のおかげで、お母さんと娘さん…助かったって…」
「良くご存知ですね。」
山川が不思議そうに訪ねる。
「ええ…先週末、退院祝いにって三人でいらしてくれて…店に迷惑かけたって何か貰いもんまでしちゃって…かえって申し訳なかったくらいで…あの事故、あの人達のせいじゃあなくてむしろ被害者だったのにねぇ…でも、三人とも元気になって楽しそうに食べてってくれました。」
「そうですか。それはよかった。僕は担当医ではなかったけど…原田先生、知ってた?」
「いえ…私も、担当外れてたので…ただ、めぐちゃんは時々美香ちゃんや真理ちゃんとお話ししてるの見かけてましたけど…」
「ああ…その娘さん、言ってましたよ。手術してくれた女の先生が凄く優しくて、時々くれる飴が美味しかったって。その飴、お母さんにねだったんだけど、何処にも売ってないってお母さんも困ってましたよ。」
瑠唯と山川が顔を見合わせて笑った。
「あれー先生方って付き合ってるんですか〜?」
涼ちゃんの再びの突っ込みに
「い…いえ、そういう訳では…」
焦る瑠唯の隣で、山川が平然と言ってのける。
「今、口説いてる最中!」
「へぇ~山川先生に口説かれて、即決しない女の人っているんだー!私だったら即、オッケーなのにー入院中も看護師さんや患者さん達にモテモテでしたもん。隣のベットのおばさんなんか、山川先生の回診の日はお化粧してたし…まっ、そうゆうことなら残念だけど私は先生の応援しますよ!」
「涼ちゃん、お喋りはそのくらいで…オーダー取って!」
「は〜い!先生、何します?」
「じゃあ…僕はビールで、君は?ソーダ水?後、焼き鳥はお任せセットで…」
「あれ?原田…先生でしたっけ?呑まれないんですか?」
「ああ…えーちょっと酒癖悪くて…ソーダ水でお願い致します。」
「ええーいいじゃないですかー今日は山川先生に甘えちゃえば!」
「涼ちゃん!早く飲み物お出しして!」
「あっ…すみません、お邪魔しました〜」
と、涼ちゃんは出てきた時と同じように勢いよく奥へ引っ込んだ。
「すみません。お騒がせしちゃって…じゃあ、これ…お任せセットです。こちら、店からサービスさせてもらいますから。」
すまなそうな顔の店長がそう言って十本ほど焼き鳥ののった皿を差し出す。
「いや…駄目ですよ、そんなの」
恐縮する山川に…
「いえ…召し上がって下さい!先生にはうちの大事な従業員を助けていただきました。涼ちゃんは高校生の頃からのバイトに来てくれてて、今じゃなくてはならない大切な仲間なんです。それに、髙山総合病院の先生方にはとてつもない恩がありますから…」
「とてつもない恩?」
「ええ…店…結構ダメージでかくて、改修費やら何やらに相当かかるって頭抱えてたら、あの日の幹事やってた先生が、その時のお代も払ってくれて…俺はあんなことになってその日のお代はいただけないと言ったんですが…それだけじゃなくて…クラウドなんちゃらとか言って、院内の先生方に寄付まで募ってくれて…おかげで銀行からの融資と合わせてなんとか店を再建出来ました。本当にありがとうございました。」
そう言って深々頭を下げた。
「寄付…?ああ、そういえば篠田先生になんとかって言われて出したような…?原田先生も?」
「あっ…確か、長谷川先生に言われて…あれって此処のお店のだったんですか?」
「そうです。ですからこれは、そのクラウドなんちゃらの返礼品です。」
「そう言うことなら遠慮なくいただきます。」
そう言うと山川はパクっと焼き鳥を口に入れた。