御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
【俺に興味が無いだと?~空斗】
國宮グループは、国内でも屈指の名家で、国内外問わず、テーマパーク、ホテル、豪華客船の他、様々な業界に出資し、今では月旅行の開発にも参画している。
そして俺は、いずれ國宮グループを後継する、國宮 空斗(くにみや そらと)。
32歳の今、國宮商事の専務として、経営を任されている。

「空斗様。そろそろお時間でございます」
俺の秘書兼執事の北郷(ほくごう)さんは、小さい頃から面倒を見てくれている。
俺が尊敬する祖父と同じくらい、信頼してる人だ。

車に乗ると、北郷さんが、ため息をついて話だした。
「空斗様。また私の補佐を、部署異動させるおつもりですか?」
「あぁ。その件は、北郷さんには申し訳ないと思ってます。でも、いつも言ってるでしょ。俺に色目を使うようになったら、直ぐに異動させるって」
「確かにそうですが・・・もう、何人目ですか?」
「さぁ、覚えてない」
「男性社員が来たら、空斗様の厳しさに付いていけず、女性社員が来たら、いつの間にかあなたを好きになってしまって・・・どうしたものか」
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