御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
「それは私のせいではありませんよ。しっかり選んでください。お願いしますよ」
「はぁ・・・空斗様に興味を持たない人など、いるものか・・・」

専務で御曹司の俺に対して、色目を使う女に興味はない。
金と名声。それに溺れる女は、俺はいらない。
あの人のように、大切な人を悲しませるだけだ。

そして数日後。
「空斗様。次の補佐候補の件でご相談が・・・こちらの総務課に配属している、赤斐さんという社員ですが・・・」
北郷さんが、社員名簿をデスクの上に置いた。
「とても真面目で、大人しく、英語が堪能で、事務処理に長けて、業務をコツコツとこなすと評価されています。彼女なら大丈夫だと思います」

見せて貰った名簿を見ると・・・
確かに、黒髪を纏め、黒縁眼鏡を掛けた見かけは、真面目そうだ。
赤斐 華(あかい はな)26歳。名前は薔薇のような華やかさがあるのに、見た目とはギャップがあるな・・・

「北郷さんの補佐ですから、お任せしますよ」
「面談をした上では、問題ありませんので、この社員を私の補佐にします」
「分かりました」
北郷さんの補佐だ。俺に色目を使ったり、ご機嫌取りしなければ、誰でもいいさ。
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