御曹司の俺には興味が無いだと?〜もう1人の俺を愛する秘書補佐
今度、海外企業と合同で、新たなテーマパークと世界旅行が楽しめる豪華客船のプロジェクトに参画することになった。
専務はそのプロジェクトを統括している。
そのプロジェクトに関する書類を担当部署では間に合わず、北郷さんが手伝って、補佐として私も色々と携わっている。

とは言っても、ビジネス英語と法に関する英語は、私が勉強していたのとは違う。
ここのところ、ずっと図書館で関連本を読んでいた。
そして、その隣には、静かに陸さんが本を読んでいる。
最近では、それが当たり前のようになり、居ないと寂しく感じ、後から陸さんが来ると、ホッとするのと同時に、凄く嬉しかった。

ある休日も、いつもと同じように図書館で調べていると、
「最近、難しそうな本を読んでるね」
陸さんが声を掛けてきた。
「仕事で資料を作成するのに、参考になる本を読んでいるんですが、凄く難しくて」
「どれ?あぁ、これはね・・・」

うそ・・・
陸さん、凄い。この文章、読めるんだ。
「凄いですね!陸さん!」
「あっ、あぁ、少し仕事柄でね」
どうしたんだろう。凄く焦っているけど・・・
でも助かる。せっかくだから、気にせず教えて貰おう。
こんなこと聞ける人、陸さんしかいないから。
「ここが分からなくて、教えて貰えますか?」
「あぁ、ここはね・・・」

2人でしばらく話をしていると、図書館の人から、
「あの、大変申し訳ありませんが、お話でしたら、外でお願いして宜しいでしょうか・・・」
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